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TW4、サイキックハーツの杜羽子・殊(d03083)のキャラブログ。仮プレだったりSSだったり。SSは少し暗め。分からない人はカムバック推奨。コメントはお気軽にどうぞ。 世界を捨てた少女は、何の夢を見るか? パス付きは殊が書きなぐったもの。数字4文字。どうしても気になる人はお手紙でどうぞ。
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少女が『殊』となった時のこと。
※オリジナルキャラが登場します。ご注意ください







それは、まるでボクを形作る世界。
例えれば彼女は、ボクの母であり父であり、姉であり兄であり、恋人であり親友である。
そんな、ボクにとって全てだった存在。

あの人といられればそれでよかった。汚いことは散々やってきた、今更綺麗でいるつもりはない。
ただボクはずっと、あの人と共に居たかった。それがボクの幸せだったんだ。





具体的な年月は覚えていない。
でもおそらく、ボクが一人で生き始めてしばらくたった後だろう。
あの頃のボクは弱くて、空っぽで。一人ぼっちで、でもそれが孤独だと感じる心も無くて。
そんな時に、まるで影のようなあの人が、ボクを包み込んだんだ。




「決めた。『こと』にしよう」
「こと…………?」
「そう、『こと』。字はそうだな……」
そういって楽しそうに、彼女は紙に少女が知らない字を書いた。
「『殊』。特別って意味。音も字も綺麗だ」
「殊……」
「それがキミの名前。上の名前は僕と同じにすればいい。そうすれば僕等は家族だ」
「かぞく……?」
にこりと笑って出来たばかりの少女の名が書かれた紙を差し出すと、彼女はにこりと笑った。
「ずっと一緒ってこと。僕等は一緒に生き抜くんだ。辛いことも、幸せも、一緒に共有するの」
「いっしょ……」
「そう、僕はこれからたくさんの事をキミに教えてあげる。僕はキミを助けて、キミは僕を助ける。そうすればもう、一人じゃないんだ」
しゃがみこんで視線を合わせ、彼女は真っ直ぐにこちらを見る。その真っ黒な瞳が自分と違ってあまりにも綺麗で、魅入られたように視線が外せなくなる。
「だって一人は、寂しいから」
その言葉に、少し低いけれど落ち着いたその声に、どうしようもなく安心して。名前を得たばかりの少女は迷わずに、差し出されたその手を掴んだ。
「宜しくね、殊」
思い返せばこの時から初めて、少女は生き始めたのかもしれない。きっとそれまで、少女は生きることすらしてなかったのだ。名を貰い、名を呼ばれ、初めて人は息をするのだ。
だから少女は問うた。息をして、初めて自分以外の者を欲した。
「あなたの……なまえは?」
彼女は嬉しそうに笑い、少女の手のひらに文字を書きながら答える。
「僕は菊華(きくか)。杜羽子 菊華、だよ」

そうして少女は一人を知り、世界を見たのだ。






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プロフィール
HN:
杜羽子・殊
性別:
非公開
自己紹介:
ダンピール×魔法使い。10歳。
幼い容姿とは裏腹に、大人びた少女。基本好奇心旺盛、時により年相応に無邪気。が、過去は結構デンジャラスだったりする。
自分の唯一の世界だった人を捨て、武蔵坂学園へと来る。
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